こんにちは、大谷です!
初めて商品有高帳の表を見たとき、受入・払出・残高それぞれに数量・単価・金額の3列がズラッと並んでいて、「うわっ、なんじゃこりゃ、マス目多すぎ……どこから手をつければいいんだ!」と本気で頭が固まった記憶があります(笑)。
でも実は、この表は難しい理論なんかじゃなく、仕入れたロット(箱)を順番に消しゴムで消していくだけの単純作業なんです。「どのロットが残っていて、どのロットが消えたか」を目で追えるようになれば、あとは足し算・引き算だけ。
今回は、そんな【ハコ消しゴムハック】を使って先入先出法・移動平均法を一瞬で解けるようになる裏技を、図解と一緒にお届けします!
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商品有高帳で最も大切なのが払出単価の計算方法です。図解の通り、先入先出法は「古い単価から順番に使う」ので単価は変わりません。移動平均法は「仕入れるたびに平均を計算し直す」ので仕入れのたびに単価が更新されます。この違いを図で頭に入れてから、下の例題に進みましょう。
商品有高帳は、商品の受入・払出・残高を管理する補助簿です。三分法では「仕入」「売上」「繰越商品」の3勘定を使いますが、実際に何個をいくらで仕入れてどれだけ残っているかは総勘定元帳だけでは把握できません。商品有高帳を記けることで、売上原価(払出金額の合計)を正確に計算できます。
先入先出法は「古いものから先に払い出す」というルールです。先に仕入れたロットから順番に払い出すため、払出単価は仕入順に決まります。物価が上昇しているときは、古い(安い)単価が先に払い出されるため、売上原価が低く・利益が高くなる傾向があります。
以下の取引について先入先出法で商品有高帳を記入しなさい。
先入先出法では、売上150個の払出は「期首の100個(@200円)→ 仕入分の50個(@210円)」の順に払い出します。
| 日付 | 摘要 | 受 入 | 払 出 | 残 高 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | ||
| 前期繰越 | 期首 | 100 | 200 | 20,000 | — | — | — | 100 | 200 | 20,000 |
| 5/10 | 仕入 | 200 | 210 | 42,000 | — | — | — | 200 | 210 | 42,000 |
| 5/15 | 売上① | — | — | — | 100 | 200 | 20,000 | — | — | — |
| 5/15 | 売上② | — | — | — | 50 | 210 | 10,500 | 150 | 210 | 31,500 |
| 払出合計 | — | — | — | 150 | — | 30,500 | 150 | 210 | 31,500 | |
先入先出法では、単価の異なるロットが残高欄に複数行並ぶことがあります(上記では期首100個と仕入200個が混在)。払出時は古い方から先に処理します。
移動平均法は「仕入のたびに平均単価を計算しなおす」方法です。受入のたびに(受入前残高金額+今回受入金額)÷(受入前残高数量+今回受入数量)で新しい平均単価を求め、以後の払出にはこの単価を使います。
同じ例題で移動平均法を使います。5月10日の仕入後の平均単価を計算します。
平均単価 =(20,000 + 42,000)÷(100 + 200)= 62,000 ÷ 300 = 206.67円(≒207円)
| 日付 | 摘要 | 受 入 | 払 出 | 残 高 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | ||
| 前期繰越 | 期首 | 100 | 200 | 20,000 | — | — | — | 100 | 200 | 20,000 |
| 5/10 | 仕入 | 200 | 210 | 42,000 | — | — | — | 300 | 207 | 62,000 |
| 5/15 | 売上 | — | — | — | 150 | 207 | 31,050 | 150 | 207 | 30,950 |
| 払出合計 | — | — | — | 150 | 207 | 31,050 | 150 | 207 | 30,950 | |
移動平均法では、残高欄の単価は常に1行(平均単価)になります。端数が出る場合は問題の指示(小数点以下切捨てなど)に従います。
| 比較項目 | 先入先出法(FIFO) | 移動平均法 |
|---|---|---|
| 払出単価の決め方 | 古いロットから順番 | 仕入のたびに平均計算 |
| 残高欄の行数 | 複数行になることあり | 常に1行 |
| 物価上昇時の売上原価 | 低くなる(古い安い単価) | 中間的な値 |
| 物価上昇時の利益 | 高くなる | 中間的な値 |
| 計算の手間 | 払出時に複数ロットの管理が必要 | 仕入時に平均計算が必要 |
同じデータを両方の方法で計算すると、売上原価と期末在庫の金額が変わります。問題で指定された方法を必ず確認してから計算を始めましょう。
前月繰越:100個 @100円 / 仕入:100個 @120円 / 売上:150個(払出)
払出は古い単価(@100円)から100個→次に仕入分(@120円)から50個の順。
仕入後の平均単価:(100個×100円 + 100個×120円) ÷ 200個 = 22,000 ÷ 200 = @110円
| 方法 | 売上原価(払出) | 期末在庫残高 | 合計(一致確認) |
|---|---|---|---|
| 先入先出法 | 16,000円 | 6,000円 | 22,000円 |
| 移動平均法 | 16,500円 | 5,500円 | 22,000円 |
三分法では期中に売上原価を自動計算できません。そこで決算整理で次の公式を使います。
売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入高 - 期末在庫
この公式の背景には費用収益対応の原則があります。
以下の取引について、先入先出法・移動平均法それぞれで商品有高帳を記入しなさい。
ポイント:先入先出法では4月10日の払出が2ロットにまたがります。移動平均法は仕入のたびに平均単価を再計算します。
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商品有高帳は、ロットを積み木のように並べて古い箱から消していく「ハコ消しゴムハック」に気づけば、複雑な表もただの作業に変わります。
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先入先出法は古い仕入分から先に売れたと仮定して原価計算する方法、移動平均法は仕入のたびに平均単価を計算し直す方法です。どちらも日商簿記3級の試験範囲です。
売上原価=期首商品棚卸高+当期仕入高-期末商品棚卸高で計算します。「しくりくりし」(仕繰り繰り仕)と覚えると決算整理仕訳が書きやすくなります。
はい、日商簿記3級では商品有高帳の記入問題が出題されます。先入先出法と移動平均法の両方の形式で記入できるように練習しておきましょう。