日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日 | 更新日:2026年9月4日

現金と当座預金の違いと仕訳
小切手は「現金」か「当座預金」か?図解で整理

著者:若葉(関西の大学3回生・ITパスポート・基本情報技術者学習中/簿記1級は中断中)

若葉
若葉のつまずきメモ

こんにちは、若葉です!初めて簿記の「現金」を習ったとき、私は本気で「なんじゃこりゃ……!」と脳内パニックを起こしました。だってお札と硬貨だけかと思っていたら、他人が振り出した小切手まで「現金」扱いだと言うじゃないですか。しかも自分が振り出した小切手が戻ってきたときだけは急に「当座預金」に変身する……もう意味がわからなくて、教科書を3回読み直しました(笑)。
そこで私は、「サイフ(現金)」と「口座(当座預金)」のどちらに戻る話かを先に考えるようにしました。今日はこのつまずきから作った、問題文で振出人→すぐに預け入れたかの順に見る判断軸を整理します。

この記事で整理した内容から、次の学習で確認することを1つ選び、記録に残してみてください。

「現金ってお札と硬貨だけじゃないの?」——簿記を勉強し始めると、現金の定義が日常感覚とズレていることに気づきます。 小切手・郵便為替証書・送金小切手など銀行でその場で換金できる証券(通貨代用証券)も簿記では現金として扱います。 ただし「自分が振り出した小切手が戻ってきた場合」は現金ではなく当座預金になります。 小切手を受け取ったとき「現金」と「当座預金」のどちらになるか——問題文で迷いやすい判断です。3パターンで整理します。

当座預金・小切手の仕組み

当座預金は、小切手を振り出す(発行する)ための専用口座です。普通預金と違って利息がつきませんが、代わりに決済手段として小切手を使えます。

受験生
受験生
小切手って、お金の代わりに渡す紙ですよね?
若葉
若葉(IT資格学習中)
そうです。「この銀行口座からお金を出してください」という指示書だと思ってください。渡した側は当座預金という口座が減り、受け取った側はサイフに入る「現金」として扱えます。
受験生
受験生
じゃあ小切手をもらったら「現金」で記録するんですね?
若葉
若葉(IT資格学習中)
基本はそうです。ただし「自分が出した小切手が戻ってきた場合」だけは「当座預金」になります。ここは迷いやすいので、次の章で判断の順番を確認しましょう。

「現金」とは?簿記での定義

小切手を受け取ったときの現金・当座預金YES-NO判断フローチャート図解

図解のフローチャートで判断の流れを確認してください。「自分が出した小切手」が手元に戻ってきたときは当座預金として処理します。これは「当座預金から引き出す指示書が自分の元に戻った」=「口座残高が復活した」というイメージです。一方、他人(他のお店や取引先)が出した小切手を受け取ったときは現金として処理します。

1分ミニ演習:小切手を見たら、どの順番で決める?

暗記したかを確かめるより、問題文のどこを見るかを3問で再現します。答えを見る前に、借方の勘定科目だけ決めてください。

  1. まず振出人
    当社か、取引先かを探す。
  2. 次に受け取り方
    手元に受け取っただけかを確認する。
  3. 最後に即時入金
    直ちに当座預金へ入れたかを見る。
問題1:商品を販売し、取引先が振り出した小切手を受け取った。借方は?

答え:現金。取引先振出の小切手は通貨代用証券として扱います。

問題2:以前に当社が振り出した小切手を、代金として受け取った。借方は?

答え:当座預金。自己振出小切手が戻ったため、振出時の当座預金の減少を取り消します。

問題3:取引先振出の小切手を受け取り、直ちに当座預金へ預け入れた。借方は?

答え:当座預金。現金を経由せず、預け入れ先の勘定科目で処理します。

問題は参考書の「通貨代用証券」「小切手の応用的な取引」を確認し、本文用に独自に作成しています。

日常語の「現金」はお札・硬貨ですが、簿記ではすぐに換金できる通貨代用証券も現金として扱います。

○ 現金
現金として仕訳するもの
💴 紙幣・硬貨
📄 他店(他社)振出しの小切手
取引先からもらった小切手
📮 送金小切手・郵便為替証書
💹 株式配当金領収証
🏦 期限到来後の公社債利札
支払期日が来た利札は現金扱い
× 現金ではない
現金と間違えやすいもの
📝 当社振出しの小切手(自己振出小切手)
→ 当座預金で処理
📋 他社振出しの約束手形
→ 受取手形で処理
📮 郵便切手
→ 通信費 or 貯蔵品
🏛 収入印紙
→ 租税公課 or 貯蔵品
⚠ 暗記ポイント:郵便切手と収入印紙は「現金ではない」。期中に使ったら費用(通信費・租税公課)、期末に未使用のものが残ったら「貯蔵品」(資産)に振り替えます。

自己振出小切手(当社振出しの小切手)

ここは勘定科目を迷いやすいポイントです。自分が振り出した小切手が手元に戻ってきた場合は「当座預金」として処理します。

受験生
受験生
なんで「当座預金」なんですか?小切手をもらったんだから「現金」じゃないですか?
若葉
若葉(IT資格学習中)
そこ、私も最初は同じところで詰まりました!実はこれ、簿記のちょっとしたパズルなんです。小切手を振り出した瞬間に、当座預金という口座はすでにマイナスされています。でもその小切手が銀行で換金されずに、ぐるっと自分の手元に戻ってきたということは……「まだ実際にはお金が引き落とされていない」ってことなんですよ。つまり、さっきのマイナスは「なかったこと」にしないと辻褄が合わない。
受験生
受験生
あ、なるほど!「なかったことに戻す」から、当座預金が増える(借方)んですね。パズルのピースが逆再生でハマる感じ、ちょっと気持ちいいです!
若葉
若葉(IT資格学習中)
その感覚で大丈夫です。「振り出した小切手が戻ってきた=口座の復活(当座預金のリセットボタン)」と自分の言葉で説明できるようにしておくと、問題文を読み分けやすくなります。

例題:自己振出小切手が戻ってきた場合

問題

商品¥20,000を販売し、代金として以前に当社が振り出していた小切手で受け取った。

解答
借方(DEBIT)
当座預金 20,000
貸方(CREDIT)
売上 20,000
💡 解き方:「以前に当社が振り出していた小切手」というキーワードが出たら、借方は「当座預金」。「現金」と書かないように注意。

例題で確認しよう

パターン①:小切手を振り出した(基本)

問題

仕入先に商品¥300を注文し、手付金として¥200の小切手を振り出して渡した。

解答
借方
前払金200
貸方
当座預金200

パターン②:他社から小切手をもらった(基本)

問題①

小切手受入による売上¥100。

解答
借方
現金100
貸方
売上100
問題②

売掛金¥300が取引先振出しの小切手により回収された。

解答
借方
現金300
貸方
売掛金300

パターン③:もらった小切手をすぐ当座預金に入金

問題

得意先より手付金として得意先振出しの小切手¥30を受け取り、直ちに当座預金に預け入れた。

解答
借方
当座預金30
貸方
前受金30
💡 ポイント:「直ちに(すぐに)当座預金に預け入れた」という文言があると、現金を経由せず直接「当座預金」になります。

パターン④:「現金残高はいくらか」問題での注意

問題

金庫に以下のものが保管されていた。現金の実際残高はいくらか。
・紙幣・硬貨        ¥500
・当社振出しの小切手    ¥100
・他店振出しの小切手    ¥200
・郵便切手         ¥50

解答

現金 = ¥500 + ¥200 = ¥700

💡 解説:当社振出しの小切手(自己振出)と郵便切手は現金ではありません。含めないように注意。他店振出しの小切手は現金として数えます。

各種預金の仕訳

当座預金以外にも、普通預金・定期預金がそれぞれ専用の勘定科目で処理されます。

借方
普通預金500
貸方(現金を普通預金へ預け入れた)
現金500
借方
定期預金1,000
貸方(当座預金から定期預金へ振り替え)
当座預金1,000
勘定科目名は口座名そのまま!
普通預金→「普通預金」、定期預金→「定期預金」と、口座の種類ごとに勘定科目を使い分けます。

当座借越

当座借越とは、当座預金残高を超えて小切手を振り出せる契約です。残高不足でも決済でき、超過分は銀行からの一時的な借り入れとなります。

問題

残高 ¥600 の当座預金口座から ¥1,000 の小切手を振り出して買掛金を支払った(当座借越契約あり)。

借方
買掛金1,000
貸方
当座預金1,000
⚠ 当座借越の注意:当座預金が貸方残高(マイナス)になった分が「当座借越」です。決算時には「当座借越」勘定(負債)に振り替えることがあります。

当座預金 vs 普通預金

「当座預金で支払った」と書かれた問題を、文章どおりに読めるようにします。当座預金と普通預金の違いを整理しておきましょう。

項目 当座預金 普通預金
利息 なし あり(微少)
小切手の振出 ✓ 可能 ✗ 不可
手形の振出 ✓ 可能 ✗ 不可
当座借越 ✓ 可能 ✗ 不可
主な利用者 法人中心 個人・法人
💡 試験での見方:問題文に「小切手を振り出した」とあれば、まず当座預金の増減を確認します。日常の決済方法の印象ではなく、問題文に書かれた受け取り方・支払い方で勘定科目を選びます。

⚔ 3問の判断を、次の15分につなげる

上の3問で迷った場面を1つ選び、「簿記3級・現金」として15分だけ記録しましょう。読んだ内容を、次に解き直す場所として残せます。

15分の学習記録を始める →
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📒 簿記3級・2級 独学攻略ガイド → ✏️ ゼロからの簿記 第1回:取引とは? →

次の一手:上の3問を答えを隠してもう一度解き、迷った問題には「振出人」か「即時入金」かを1行で書く。 掛取引の仕訳へ進む

まとめ:小切手の仕訳パターン一覧

📋 小切手の仕訳ルール

小切手を振り出した(渡した) → 当座預金 減る(貸方)
他社から小切手をもらった → 現金 増える(借方)
前に渡した当社の小切手が戻ってきた → 当座預金 増える(借方)
小切手をもらってすぐ当座預金に入金した → 当座預金 増える(借方)

よくある質問

通貨代用証券とは何ですか?

銀行に持参するとその場で現金に換金できる証券です。他人振出小切手・送金小切手・郵便為替証書・株式配当金領収証・期限到来後の公社債利札などが含まれます。簿記3級では「現金」勘定として処理します。自社(自己)振出小切手は現金ではなく「当座預金」で処理します。

小切手を受け取ったとき仕訳はどうなりますか?

3パターンあります。①他人振出小切手を受け取った場合→借方「現金」②他人振出小切手をただちに当座預金へ入金した場合→借方「当座預金」③自己振出小切手が戻ってきた場合→借方「当座預金」(振出時の取り消し)。誰が振り出したかがポイントです。

当座預金と普通預金の違いは何ですか?

当座預金は小切手・手形の振出に使う預金で、簿記の問題では勘定科目として区別します。普通預金と当座預金のどちらが指定されているかを問題文で確認し、指定された勘定科目で仕訳します。

当座借越とは何ですか?

当座預金の残高を超えて小切手を振り出した場合に発生する、銀行からの一時的な借り入れ状態です。当座預金の帳簿残高がマイナスになります。決算時には「当座借越」(負債)勘定に振り替えることがあります。