簿記2級、仕訳はわかるのに過去問になると解けない…「理解」と「得点力」のギャップを埋める演習法

著者:若葉(関西の大学3回生・日商簿記1級勉強中)

若葉
若葉 より

「個別問題集は9割解けるのに、いざ過去問を通しでやると半分も終わらなかった」——私自身、2級の過去問演習を始めた頃にこれで焦った経験があります。テキストの例題や単発の仕訳問題はスラスラ解けるのに、いざ本試験形式の総合問題になると、途中で時間切れになったり、どこから手をつけていいか分からなくなったり。
「理解できているはずなのに解けない」という感覚は、正直けっこう自己肯定感を削られます。でもこれは才能の差ではなく、ほとんどの場合「総合問題への慣れ方」が足りていないだけです。この記事では、その原因を3つに分けて、個別問題から過去問への「橋渡し」になる演習ステップを具体的にまとめました。

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この記事の結論を先に言うと
「わかる」と「解ける」の間には、①複数論点が混ざる総合問題への慣れ ②電卓・下書きの処理速度 ③問題を解く順番の型という3つのギャップがあります。個別問題集だけを繰り返しても、このギャップは埋まりません。総合問題への「橋渡し」演習を挟むことが最短ルートです。

「わかる」と「解ける」は別物——ギャップが生まれる3つの原因

受験生
受験生
個別の仕訳問題や、単元ごとの問題集はちゃんと解けるんです。でも過去問を本番と同じ90分で通しでやると、全然時間内に終わりません。理解が足りていないんでしょうか……。
若葉
若葉(簿記1級勉強中)
それ、理解不足じゃないことがほとんどです。私も同じでした。個別問題集は9割解けるのに、通しで過去問をやると半分も終わらなかった時期があります。原因は知識じゃなくて、「総合問題そのものへの慣れ」がまだできていないだけなんです。
受験生
受験生
「慣れ」というと、具体的にどういうことですか?
若葉
若葉(簿記1級勉強中)
大きく3つあります。①複数の論点が混ざった問題への対応力、②電卓・下書きの処理スピード、③どの大問から解くかという順番の型。個別問題集は1つの論点だけを解く練習なので、この3つがどれも鍛えられないんです。1つずつ埋めていきましょう。

原因①:個別論点を単発でしか解いておらず、複数論点が混ざる総合問題に慣れていない

個別問題集は「この単元だけ」を狙って作られています。一方で過去問(総合問題)は、1つの大問の中でも複数の論点が混ざって出題されます。単発の練習しかしていないと、「今どの論点を使うべきか」の切り替えに時間がかかり、結果的に手が止まってしまいます。

原因②:電卓操作・下書き用紙の使い方が確立しておらず、1問あたりの処理時間が長い

個別問題集を解くときは、1問ごとにじっくり時間をかけられます。しかし総合問題では、1問にかけられる時間はかなり短くなります。電卓の打ち方や下書きの書き方が自己流のまま固まっていないと、同じ計算でも人より時間がかかり、それが積み重なって時間切れにつながります。

原因③:問題を解く順番(どの大問から手をつけるか)を決めておらず、得意分野に時間を割けていない

過去問を「第1問から順番に」解いていませんか? 本番は必ずしも出題順に解く必要はありません。解く順番を事前に決めていないと、苦手な大問に時間を吸われて、得意な大問に手をつける前に時間切れになることがあります。

この3つはどれも「知識」の問題ではありません:仕訳や個別論点の理解が甘いわけではなく、総合問題という「形式」に対する経験値が足りていないだけです。ここを勘違いしてテキストを最初から読み直すのは、遠回りになりがちです。

総合問題に慣れるための"橋渡し"演習ステップ

知恵袋にも「基本のテキストや問題集は理解できているとおもいます」「時間内に問題(過去問)が解けません」という相談が複数寄せられており、この悩み自体は決して珍しいものではありません(Yahoo!知恵袋)。個別問題から過去問へ、いきなり飛び級するのではなく、間に「橋渡し」の演習を挟むのがポイントです。

1

個別問題集を「単発」ではなく「制限時間つき・複数論点混在」で解き直す。すでに解いたことのある問題集を、今度は複数単元をランダムに混ぜて、1問あたりの制限時間を決めて解き直します。工業簿記が特に穴になりやすい人は、演習ロードマップも参考にしてください。

2

過去問は最初から時間を計らず、まず「解ける論点」と「解けない論点」の仕分けから始める。いきなり90分測って解くと、時間切れの焦りで正しい実力が測れません。最初の1〜2回は時間無制限で解き、どの論点でつまずくかを仕分けることを優先します。

3

仕分け後、苦手論点だけをピンポイントで復習し、翌週にもう一度同じ過去問を時間内に解き直す。全部をやり直す必要はありません。仕分けで見つかった苦手論点だけ復習し、1週間後に同じ過去問を今度は時間を計って解き直します。

→ 簿記2級 工業簿記の演習ロードマップ(材料費からCVPまでの解き方)

時間内に解き切るための「解く順番」と電卓・下書きの型

得意な大問から解く「順番の型」を先に決めておく

私自身、最初は第1問から順番に解いていて、工業簿記(第4・5問)にたどり着く前に時間切れになったことがあります。そこから「仕訳→工業簿記→精算表」の順番に変えたところ、得意な工業簿記を確実に得点源にできるようになりました。人によって最適な順番は違いますが、「決めておく」こと自体が重要です。何度か過去問を解く中で、自分に合う順番を早めに固定してください。

電卓・下書き用紙の使い方は自己流を早期に固定する

電卓のキー操作や下書きの書き方を、本番直前になって変えるのはリスクが高いです。早い段階で「自分のやり方」を決めて、それを演習のたびに繰り返すことで、処理スピードが自然と上がっていきます。

日商簿記2級の試験構成(公式情報):試験時間は90分、第1〜3問が商業簿記(60点)、第4〜5問が工業簿記(40点)の全5問構成です。大問ごとにどれだけ時間を使えるかの目安を事前に決めておくと、本番での迷いが減ります。最新の出題範囲・試験時間は日本商工会議所の公式サイトで必ず確認してください。

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それでも間に合わない場合のチェックリスト

橋渡し演習を重ねても時間内に終わらない場合は、原因をもう一段掘り下げます。直近の過去問1回分を見返して、以下のように仕分けてみてください。

設問の状態考えられる原因
白紙のまま出した知識の抜け(該当論点の復習が優先)
時間切れで飛ばした演習量・処理スピード不足(橋渡し演習を継続)
解いたが時間がかかった解く順番・電卓操作の見直しが有効

仕分け結果が「時間切れ」に偏っているなら演習量の問題、「白紙」に偏っているなら知識の抜けが原因です。それぞれ対処法が異なるので、混同せずに1つずつ潰してください。

この「橋渡し」演習を重ねてもなお本番で崩れてしまう場合は、模試と本番のスコア差を扱った記事もあわせて参考にしてください。

→ 簿記2級、模試はできるのに本番だと解けない…なぜ?点数が伸びない人の弱点診断チェックリスト

本記事と模試本番ギャップ記事の違い:この記事は「そもそも過去問演習の段階で時間内に終わらない」人向けです。一方で模試本番ギャップの記事は「過去問演習はできるようになったのに、模試や本番だとまた崩れる」という、もう一段先の悩みを扱っています。自分が今どちらの段階か確認してから読み進めてください。

まとめ

「理解できているのに解けない」という感覚は、才能の差ではなく演習の"やり方"の差です。総合問題への橋渡し演習を挟むだけで、驚くほど手ごたえが変わります。今日この記事を読んだあなたは、もう次の演習から違うやり方で過去問に向き合えます。

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よくある質問

個別の仕訳問題は解けるのに、過去問になると全然時間内に終わりません。理解不足でしょうか?
理解不足とは限りません。個別問題集は1つの論点だけを解く練習なので、複数論点が混ざる総合問題への慣れ・電卓や下書きの処理速度・解く順番の型という3つが鍛えられていないだけのことが多いです。橋渡し演習を挟むことで改善しやすくなります。
過去問を解くとき、最初から時間を計った方がいいですか?
最初の1〜2回は時間無制限で解き、どの論点でつまずくかを仕分けることを優先してください。いきなり時間を計ると焦りで正しい実力が測れないことがあります。仕分けができてから時間を計って解き直すのがおすすめです。
問題を解く順番は、出題順(第1問から)通りでいいですか?
出題順通りに解く必要はありません。得意な大問から解く順番を事前に決めておくことで、苦手な大問に時間を吸われて得意分野に手をつけられなくなるのを防げます。何度か過去問を解く中で自分に合う順番を見つけてください。
橋渡し演習をしても時間内に終わりません。次に何をすればいいですか?
直近の過去問を「白紙」「時間切れ」「解いたが遅かった」に仕分けてください。時間切れが多いなら演習量、白紙が多いなら知識の抜けが原因です。それでも本番で崩れる場合は、模試と本番のスコア差を扱った記事もあわせて確認してください。

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