外貨換算会計は、ドルなど外国通貨で行った取引を日本円に直して記録する論点です。簿記2級では、取引時・決済時・決算時で使うレートが変わり、差額を為替差損益として処理します。
取引日レート・決算日レート・決済日レートの3つを使い分け、差額を為替差損益で処理するのが外貨換算の基本構造です。
外貨換算会計とは、外国通貨で行った取引や、外国通貨建ての債権・債務を日本円に換算して会計処理する方法です。
日本の会社がドルで商品を売ったり、ドルで仕入れたりする場合でも、帳簿は円で記録します。そのため、外貨を円に直すための為替レートが必要になります。
外貨建取引とは、取引金額が外国通貨で表示されている取引です。輸出入、外貨建売掛金、外貨建買掛金、外貨預金などが代表例です。
| 取引 | 例 |
|---|---|
| 外貨建売上 | 商品を1,000ドルで輸出した |
| 外貨建仕入 | 商品を800ドルで輸入した |
| 外貨建売掛金 | ドル建ての売掛金が残っている |
| 外貨建買掛金 | ドル建ての買掛金が残っている |
外貨建取引が発生したときは、原則として取引発生日の為替レートで円に換算します。
たとえば商品を1,000ドルで販売し、取引日のレートが1ドル=140円なら、売上は140,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 140,000 | 売上 | 140,000 |
外貨建売掛金や買掛金を決済するとき、取引時と決済時の為替レートが違うと差額が出ます。この差額を為替差損益として処理します。
先ほどの1,000ドルの売掛金を回収するとき、決済日のレートが1ドル=145円だったとします。入金額は145,000円です。帳簿上の売掛金は140,000円なので、差額5,000円は為替差益になります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 145,000 | 売掛金 | 140,000 |
| 為替差益 | 5,000 |
決算日に外貨建の売掛金・買掛金などが残っている場合、決算日の為替レートで換算し直します。これを決算時換算といいます。
| 項目 | 決算時の扱い |
|---|---|
| 外貨建売掛金 | 決算日レートで換算し、差額を為替差損益にする |
| 外貨建買掛金 | 決算日レートで換算し、差額を為替差損益にする |
| 外貨預金 | 決算日レートで換算し、差額を為替差損益にする |
売掛金・買掛金・外貨預金のような外貨建金銭債権債務は、決算時にレートを更新するのがポイントです。
外貨建売掛金1,000ドルを、取引時に1ドル=140円で計上していた。決算日のレートが1ドル=143円だった場合、売掛金の決算時評価額は143,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 3,000 | 為替差益 | 3,000 |
売掛金は将来受け取る外貨なので、円安になって円換算額が増えると為替差益になります。
買掛金は将来支払う外貨です。円安になると、支払う円換算額が増えるため不利になります。つまり、買掛金では円安が為替差損につながります。
| 項目 | 円安になったとき | 円高になったとき |
|---|---|---|
| 外貨建売掛金 | 為替差益 | 為替差損 |
| 外貨建買掛金 | 為替差損 | 為替差益 |
為替予約とは、将来の決済日に適用する為替レートをあらかじめ金融機関と約束しておく取引です。円安・円高による為替差損益のブレをなくすために使われ、簿記2級では「振当処理」という方法で会計処理します。振当処理は、外貨建取引の金額を予約レート(先物レート)で確定させてしまう処理と考えると理解しやすいです。
商品の売買と同時に為替予約を結んだ場合、最初から予約レートで円換算します。決算時・決済時にレートが変わっても再換算は不要です。
たとえば3,000ドルの商品を輸入すると同時に為替予約を締結し、予約レートが1ドル=142円だった場合、買掛金は426,000円(3,000×142円)で確定します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 426,000 | 買掛金 | 426,000 |
取引時にはいったん直物レートで計上し、あとから為替予約を結ぶケースです。予約を締結した時点で、帳簿価額を予約レートに振り当て直し、その差額を為替差損益として処理します(簿記2級では、差額を直々差額・直先差額に分けず、まとめて当期の為替差損益とするのがポイントです)。
9月1日に1,000ドルの売掛金を直物レート1ドル=140円で140,000円計上し、9月15日に予約レート1ドル=142円で為替予約を締結したとします。振当処理では、売掛金を142,000円に振り当て、差額2,000円を為替差益として計上します。以後は決済まで142,000円のまま据え置きます。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売掛金 | 2,000 | 為替差益 | 2,000 |
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