日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日 | 更新日:2026年7月29日
簿記2級の連結会計とは?
連結修正仕訳・のれんを初心者向けに解説
著者:若葉(関西の大学3回生・日商簿記1級勉強中)
連結会計は、簿記2級 商業簿記で最もつまずきやすい論点です。親会社と子会社を「1つの企業グループ」として見せるため、個別財務諸表を合算し、グループ内取引や親会社の子会社株式を修正します。連結が難しく感じて心が折れそうな人は、連結会計は捨てるべき?部分点戦略もあわせて読んでみてください。
受験生
連結会計、テキストを開いた瞬間「うわっ、なんじゃこりゃ……」ってなりました。親会社と子会社の財務諸表を合算するって、具体的に何をしているのか全く想像できません。
若葉(簿記1級勉強中)
その固まる感覚、私も最初まったく同じでした(笑)。でも本質はシンプルです。親会社が子会社の株を買うと、法律上は別会社でも、経済的には「1つのグループ」として見せる必要があります。だから2つの財務諸表を単純に足し算した後、グループ内だけの取引(親の投資・子の資本)を相殺して消していく——これが連結会計の全てです。
受験生
相殺、というのは何となく分かるんですが、「のれん」と「非支配株主持分」という単語が出てくると、また混乱してしまいます。
若葉(簿記1級勉強中)
大丈夫、この2つは「相殺した後に余るもの」を処理する科目だと思ってください。親の投資額と子の資本を相殺したときに、投資の方が多ければその差額が「のれん」(買収時に上乗せして払ったプレミアム分)。そして子会社の資本のうち、親が買っていない残り部分(例えば20%)は「非支配株主持分」として、グループ外の人の取り分だからそのまま残します。逆に投資額の方が少ない場合に発生する「負ののれん」との違いは
のれんと負ののれんの違いで解説しています。
受験生
なんとなく全体像が見えてきました。丸暗記じゃなく理解して進められそうです。
若葉(簿記1級勉強中)
それが一番大事な姿勢です。連結会計は2級最難関ですが、パターンは3〜4種類しかありません。この記事で1つずつ順番に、図解と一緒に確認していきましょう。焦らず進めれば、必ず得点源になります。
先に結論:連結会計は「親会社と子会社を1つの会社のように見せる処理」です。簿記2級では、支配獲得日の資本連結、のれん、非支配株主持分、連結修正仕訳の型を押さえることが最優先です。
連結会計とは
図:単純合算→投資と資本の相殺・内部取引消去・債権債務相殺の3修正→連結財務諸表完成
連結会計の本質は「グループ内の取引をなかったことにする」3つの修正仕訳。のれんの処理と内部利益消去が試験の頻出ポイントです。
連結会計とは、親会社と子会社をまとめて、企業グループ全体の財務諸表を作る会計です。親会社だけの財務諸表では、子会社を含めたグループ全体の実態が見えません。
たとえば親会社が子会社を支配している場合、投資家は親会社単体ではなく、グループ全体でどれだけ資産・負債・利益があるかを知りたいはずです。そのために連結財務諸表を作ります。
親会社と子会社
| 用語 | 意味 |
| 親会社 | 他の会社を支配している会社 |
| 子会社 | 親会社に支配されている会社 |
| 企業集団 | 親会社と子会社を合わせたグループ |
| 連結財務諸表 | 企業集団を1つの会社のように見せる財務諸表 |
簿記2級では、親会社が子会社株式の過半数を取得して支配したケースを中心に学習します。
連結会計の基本手順
親会社と子会社の財務諸表を合算する:まずは資産・負債・純資産・収益・費用を単純に足す。
親会社の子会社株式を消す:グループ内部で見ると、子会社株式は外部への資産ではないため消去する。
子会社の純資産を消す:子会社株式と対応する子会社の資本を相殺する。
のれん・非支配株主持分を計算する:買収金額と子会社純資産の差額、親会社以外の持分を整理する。
グループ内取引を消す:親子間の売上・仕入・債権債務などを消去する。
資本連結とは
資本連結とは、親会社が持っている子会社株式と、子会社の純資産を相殺消去する処理です。連結会計の入口であり、簿記2級で最初に固めるべき部分です。
親会社の個別財務諸表では、子会社株式は資産として表示されています。しかしグループ全体で見ると、親会社が子会社を持っているだけなので、子会社株式をそのまま残すと二重に見えてしまいます。
のれんとは
のれんとは、子会社を買った金額が、子会社の純資産の親会社持分を上回る場合に出る差額です。ブランド力、技術力、顧客基盤など、帳簿には直接出ていない価値と考えるとイメージしやすいです。
のれん = 子会社株式の取得原価 - 子会社純資産の親会社持分
簿記2級では、のれんを計算し、一定期間で償却する処理まで問われます。
非支配株主持分とは
非支配株主持分とは、子会社の純資産のうち、親会社以外の株主に帰属する部分です。親会社が子会社株式を100%持っていない場合、子会社の一部は外部株主のものです。
たとえば親会社が子会社株式の80%を持っているなら、残り20%は非支配株主持分です。連結財務諸表では、子会社を100%合算したうえで、親会社以外の持分を区分して表示します。
連結修正仕訳のイメージ
支配獲得日に、親会社が子会社株式を800,000円で取得し、子会社の資本金が600,000円、利益剰余金が300,000円だったとします。親会社の持分比率は80%です。
子会社純資産 900,000円 × 80% = 親会社持分 720,000円
のれん = 取得原価 800,000円 - 親会社持分 720,000円 = 80,000円
非支配株主持分 = 900,000円 × 20% = 180,000円
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 資本金 | 600,000 | 子会社株式 | 800,000 |
| 利益剰余金 | 300,000 | 非支配株主持分 | 180,000 |
| のれん | 80,000 | | |
この仕訳で、子会社の純資産と親会社の子会社株式を消し、差額としてのれんと非支配株主持分を認識します。
連結会計でよく出る修正
| 修正 | 内容 |
| 資本連結 | 子会社株式と子会社純資産を相殺する |
| のれん償却 | のれんを一定期間で費用化する |
| 債権債務の消去 | 親子間の売掛金・買掛金などを消す |
| 取引高の消去 | 親子間の売上・仕入などを消す |
| 未実現利益の消去 | グループ内取引で残った利益を消す |
よくあるミス
- 親会社と子会社を単純に足すだけで終わってしまう
- 子会社株式を消す理由がわからないまま仕訳を暗記する
- のれんを「取得原価 - 子会社純資産全額」で計算してしまう
- 非支配株主持分を親会社持分と逆にしてしまう
- 連結修正仕訳を個別財務諸表に記入するものだと誤解する
判断の軸:連結会計は、仕訳より先に「グループ全体で見たら何を消すべきか」を考えましょう。内部の投資、内部の売上、内部の債権債務は、グループ外部との取引ではありません。
勉強の順番
- 親会社・子会社・連結財務諸表の意味を理解する
- 支配獲得日の資本連結を固める
- のれんと非支配株主持分を計算できるようにする
- のれん償却を加えた連結修正仕訳を練習する
- 債権債務・取引高・未実現利益の消去へ進む
まとめ
- 連結会計は、親会社と子会社を1つの企業グループとして見せる会計
- 最初は親会社と子会社の財務諸表を合算する
- 子会社株式と子会社純資産を相殺する処理が資本連結
- 取得原価が親会社持分を上回ると、のれんが発生する
- 親会社以外の株主持分は、非支配株主持分として表示する
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