日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日 | 更新日:2026年9月6日

材料費とは?
直接材料費・間接材料費・材料副費を解説【簿記2級】

著者:若葉(関西の大学3回生・ITパスポート・基本情報技術者学習中/簿記1級は中断中)

材料費は、工業簿記で最初に押さえるべき原価です。製品を作るために使った材料の金額を、直接材料費と間接材料費に分けて計算します。ここが曖昧なままだと、製造間接費や個別原価計算で一気に苦しくなります。

受験生
受験生
工業簿記の最初の論点が材料費なんですね……。直接材料費と間接材料費、何を基準に分ければいいのか、いきなりつまずいてます。
若葉
若葉(IT資格学習中)
工業簿記の入口、私もここで「うわっ、なんじゃこりゃ」ってなりました(笑)。でも見るべき軸は1つだけです。「その材料が、どの製品に使われたか直接たどれるか」。木材や小麦粉みたいに製品そのものになるものは直接材料費、接着剤やネジみたいに工場全体で使うものは間接材料費です。
受験生
受験生
なるほど、金額の大小じゃなくて「たどれるか」なんですね。材料副費っていうのもよく分からないんですが……。
若葉
若葉(IT資格学習中)
材料副費は、引取運賃や購入手数料みたいな「材料を使える状態にするまでの付随費用」のことです。固定資産の記事で見た「付随費用は取得原価に含める」のと全く同じ考え方なので、一度理解すれば他の論点にも応用できますよ!
先に結論:材料費は「製品を作るために使った材料の原価」です。製品ごとに直接たどれるものは直接材料費、たどれないものは間接材料費として扱います。

材料費とは

材料費——仕入から消費・計算(先入先出法・総平均法)までの全フロー
図:材料購入→材料勘定(倉庫)→消費(払出)→製品原価の流れ、先入先出法・総平均法の単価計算比較

材料費は、購入時でなく消費時に製品原価へ入れる流れを押さえるのが重要です。消費単価は、問題文で指定された先入先出法または総平均法で計算します。

材料費とは、製品を作るために消費した材料の原価です。たとえば机を作る会社なら木材、パンを作る会社なら小麦粉、機械を作る会社なら部品が材料にあたります。

簿記2級では、材料を買ったときではなく、材料を消費したときに製品の原価へ入れる感覚が重要です。

直接材料費と間接材料費

分類意味例
直接材料費どの製品に使ったか直接わかる材料費机の木材、パンの小麦粉、製品の主要部品
間接材料費どの製品に使ったか直接わけにくい材料費接着剤、ネジ、工場消耗品、補助材料

判断のコツは「その材料が、特定の製品に直接ひもづくか」です。ひもづくなら直接材料費、まとめて工場全体で使うなら間接材料費です。

材料費の基本計算

材料費は、基本的に次の式で計算します。

材料消費額 = 消費数量 × 消費単価

たとえば材料を100kg消費し、1kgあたり200円なら、材料消費額は20,000円です。

消費単価の計算:先入先出法と総平均法

先入先出法は、先に仕入れた材料から先に消費したと仮定する方法です。総平均法は、期首在庫とその期間の仕入を合計して平均単価を出す方法です。どちらを使うかは問題文の指定に従います。

以下は計算構造を確認するための自作例です。教材・試験問題の転載ではありません。

日付取引数量単価金額
4月1日材料を購入10kg100円1,000円
4月8日材料を購入20kg130円2,600円
4月15日材料を消費24kg——
方法消費額の計算消費額期末在庫額
先入先出法10kg × 100円 + 14kg × 130円2,820円6kg × 130円 = 780円
総平均法平均単価:3,600円 ÷ 30kg = 120円
24kg × 120円
2,880円6kg × 120円 = 720円

計算結果は異なりますが、どちらも「消費額 + 期末在庫額 = 3,600円」と購入額に一致します。方法を取り違えず、消費した数量と残った数量の合計も最後に確かめましょう。

直接材料を消費したとき
仕掛品 20,000/材料 20,000

直接材料費は、製品の原価へ直接入るため「仕掛品」に振り替えます。

間接材料を消費したとき
製造間接費 5,000/材料 5,000

間接材料費は、いったん製造間接費に集めてから、あとで製品へ配賦します。

材料副費とは

材料副費とは、材料を買うために付随して発生した費用です。代表例は引取運賃、購入手数料、保険料などです。

材料副費は、材料の購入原価に含めるのが基本です。つまり材料そのものの代金だけでなく、材料を使える状態にするまでの費用も材料の原価として考えます。

項目扱い
材料の購入代価材料の原価に含める
引取運賃材料副費として材料の原価に含める
購入手数料材料副費として材料の原価に含める

材料消費価格差異

予定価格を使って材料費を計算する場合、実際価格との差額が出ることがあります。これが材料消費価格差異です。

材料消費価格差異 = 予定消費額 - 実際消費額

式は「予定 − 実際」の順で読みます。実際の消費額が予定より大きければマイナスで不利差異(借方差異)、小さければプラスで有利差異(貸方差異)です。

次の金額は、正負の読み方を比べるための自作例です。

ケース予定消費額実際消費額差異判定
実際が予定を上回る110円 × 50kg = 5,500円118円 × 50kg = 5,900円5,500円 − 5,900円 = −400円不利差異(借方差異)
実際が予定を下回る110円 × 50kg = 5,500円102円 × 50kg = 5,100円5,500円 − 5,100円 = +400円有利差異(貸方差異)

年度末に売上原価へ反映するときは、不利差異は加算、有利差異は減算の向きになります。まずは「予定より実際の方が高いか・低いか」を言葉で確認してから、式へ戻ると正負を取り違えにくくなります。

材料費でよくあるミス

まとめ

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若葉式:材料費の「直接・間接」判定メモ

金額が大きいか小さいかではなく、「その材料を特定製品へ追跡できるか」で判断します。問題文を読んだら、まず次の質問を1つだけ書きます。

問題文への質問答えが「はい」答えが「いいえ」
どの製品に何個使ったか直接追える?直接材料費として仕掛品へ間接材料費として製造間接費へ
購入に付随する費用?材料副費として購入原価への算入を確認消費・配賦の論点へ戻る

ミニ練習:製品Aに専用部品1,000円、工場全体で使う潤滑油300円なら、前者は直接、後者は間接です。答えを書いたあとに「追跡できる/できない」の一言を添えると、似た問題で勘定科目だけを丸暗記する状態から抜けられます。

次に工業簿記の問題を解くときは、仕訳の前に「特定製品へ追跡できるか」を書いてください。材料費・労務費・経費の判定を同じ型で記録すると、間違いの原因まで見えるようになります。

次の一手:直接・間接の判定を1問解き、科目ではなく取引の流れを説明する。個別原価計算へ進む

よくある質問

直接材料費と間接材料費の違いは?+
特定の製品に直接ひもづけられる材料費が直接材料費、どの製品に使ったか直接わけにくい材料費が間接材料費です。
材料副費は材料費に含めますか?+
はい。引取運賃や購入手数料など、材料購入に付随する費用は材料の購入原価に含めるのが基本です。
材料消費価格差異がマイナスなら何を意味しますか?+
予定消費額から実際消費額を引いた結果がマイナスなら、実際の消費額が予定を上回っています。不利差異(借方差異)として読みます。

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