日商簿記3級 | 公開:2026年5月8日

クレジット売掛金の仕訳とは?
手数料2パターン・信販会社との取引を例題3問で完全解説【日商簿記3級】

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

この記事でわかること(5秒まとめ)
大谷
大谷 一輝 より

こんにちは、大谷です!
実は、今回紹介する「クレジット売掛金」ですが、僕が初めて仕訳を見たとき、「え、商品を売ったのに手元の現金が全然増えてない……?しかも謎の手数料まで引かれてる……うわっ、なんじゃこりゃ!」と本気で脳内パニックを起こした論点でした(笑)。
落ち着いて考えると、これは会社と顧客の間に「信販会社」というもう1人の登場人物が割り込んでくる、いわば【信販会社とのドラマ】なんです。顧客からは1円も直接もらわず、代わりに信販会社が立て替えて、手数料を天引きした金額を後から振り込んでくれる——この三角関係さえ頭に入れば、あとは機械的に仕訳が組み立てられます。
今回は、このドラマをゲーム感覚で一瞬で解ける裏技を、図解と一緒にお届けします!

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💳 ① クレジット販売の流れ——当社・顧客・信販会社の3者の関係を把握する

クレジット売掛金と支払手数料の3者間キャッシュフローの全体マップ図解

図解を見てください。クレジット販売では当社が直接お金をもらう相手は「顧客」ではなく「信販会社(カード会社)」です。顧客にはカード払いで売るので現金は入りません。その代わり、信販会社が立て替えてくれた金額(手数料を差し引いた額)が後日入金されます。この流れを図で確認してから仕訳の学習に進みましょう。

クレジット販売では3者(当社・顧客・信販会社)が登場します。

顧客
クレジットで購入
当社
信販会社に請求
信販会社
手数料を差し引いて入金

顧客は信販会社に後払いしますが、当社は信販会社から(手数料差引後の)代金を受け取ります。この「信販会社に対する債権」がクレジット売掛金です。

📝 ② 販売時の仕訳——クレジット売掛金(資産)が発生する瞬間

【最大のひっかけ】売上は満額・クレジット売掛金は手数料控除後
売上は販売価格の満額で計上します。クレジット売掛金(信販会社に対する債権)は手数料を差し引いた金額になります。この「売上とクレジット売掛金の金額が違う」ことが最大の落とし穴です。
例)売上10,000円・手数料200円 → 売上 10,000 / クレジット売掛金 9,800 + 支払手数料 200

商品10,000円をクレジットカードで販売。信販会社の手数料率は3%(300円)の場合を考えます。

手数料の計上タイミングによって2パターンあります。

受験生
手数料300円って、いつ仕訳に登場するんですか?販売した瞬間ですか、それとも入金されたときですか……?考えれば考えるほど頭がこんがらがってきました。
実はそこ、僕も最初は「え、どっちでもいいんじゃないの!?」って混乱したポイントです(笑)。でも答えはシンプルで、問題文が「いつ手数料を計上するか」を必ず教えてくれています。「販売時に計上する」と書いてあればパターンA、何も指示がなければパターンB(入金時)が標準——このたった1つの分岐を見抜くだけの、実はとてもシンプルなパズルなんです!
大谷
受験生
なるほど、分岐さえ見抜ければいいんですね!でも金額はどう変わるんですか?
ここが面白いところで、手数料をどのタイミングで計上するかによって「クレジット売掛金」の金額そのものが変わるんです。販売時に計上するなら、クレジット売掛金は最初から手数料を引いた金額(9,700円)。入金時に計上するなら、クレジット売掛金はいったん満額(10,000円)で計上して、入金時に手数料を差し引きます。このズレを体感すると、一気に得点源になりますよ!
大谷

パターンA:手数料を販売時に計上する場合——問題文に「販売時に計上」の指示がある場合

仕訳(販売時・手数料率3%)
クレジット売掛金9,700 売上10,000
支払手数料300  

クレジット売掛金 = 10,000 − 300(手数料)= 9,700円。販売時に手数料も費用計上するパターン。

パターンB:手数料を入金時に計上する場合——指示がないときの標準パターン

仕訳(販売時)
クレジット売掛金10,000 売上10,000

販売時は手数料を計上せず、クレジット売掛金を販売価格の全額(10,000円)で計上する。

💰 ③ 入金時の仕訳(手数料を販売時に計上した場合)——クレジット売掛金を消去して現金化する

パターンAの場合、信販会社から9,700円が入金された時の仕訳です。

仕訳(信販会社から入金 9,700円)
現金9,700 クレジット売掛金9,700

手数料はすでに販売時に費用計上済みなので、入金時は単純にクレジット売掛金を消去します。

💰 ④ 入金時の仕訳(手数料を入金時に計上する場合)——入金のタイミングで手数料を費用計上する

パターンBの場合、信販会社から9,700円(手数料300円差引後)が入金された時の仕訳です。

仕訳(信販会社から入金 9,700円・手数料300円差引)
現金9,700 クレジット売掛金10,000
支払手数料300  

クレジット売掛金(10,000円)を消去し、実際の入金額9,700円と手数料300円に分けて計上します。

手数料の計上タイミングは問題文の指示に従う
「クレジット手数料は販売時に計上する」と指示があればパターンA、指示がなければパターンBが一般的です。試験では問題文をよく読んで、どちらのパターンかを判断しましょう。

🔍 ⑤ 通常の売掛金との違い——「誰からもらう権利か」が勘定科目の使い分けのポイント

比較項目 通常の売掛金 クレジット売掛金
勘定科目 売掛金 クレジット売掛金
代金の回収相手 顧客(得意先)から直接 信販会社から
手数料の負担 なし 信販会社への手数料あり(支払手数料)
回収金額 売上金額と同額 売上金額から手数料を差し引いた金額
貸倒リスク 得意先の信用リスクあり 信販会社が保証(原則リスクなし)

🎫 ⑥ 商品券(受取商品券)——発行元から現金を受け取る権利(資産)として処理する

他店が発行した商品券を受け取って商品を販売した場合、「受取商品券(資産)」という勘定科目を使います。

商品10,000円を売り、他店発行の商品券10,000円を受け取った
受取商品券10,000売上10,000
後日、商品券を発行元に持参して現金10,000円に換えた(精算)
現金10,000受取商品券10,000
場面借方貸方
商品券で商品を売る受取商品券(資産)↑売上
商品券を現金に精算現金受取商品券(資産)↓
受取商品券はなぜ「資産」?
商品券は発行元から現金を受け取る権利(請求権)です。クレジット売掛金と同じ考え方で、「後で現金に換えられる」権利を資産として記録します。
自社が発行した商品券と混同しないこと!
自社発行の商品券を売ったときは「前受金(負債)」です。他社から受け取った商品券が「受取商品券(資産)」です。

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練習問題

以下の取引について仕訳しなさい(手数料は販売時に計上する)。

ポイント:手数料 = 50,000 × 2% = 1,000円。クレジット売掛金 = 50,000 − 1,000 = 49,000円。

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クレジット売掛金は「信販会社とのドラマ」を思い浮かべながら、手数料をどのタイミングで計上するかという1つの分岐さえ見抜ければ、確実な得点源になります。
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よくある質問

クレジット売掛金と通常の売掛金は何が違うの?

クレジット売掛金は代金を「信販会社」から回収する権利です。通常の売掛金は得意先から直接回収しますが、クレジット売掛金は信販会社を経由して受け取ります。また、信販会社への手数料(支払手数料)が発生するため、入金額が売上金額より少なくなる点も大きな違いです。

支払手数料はいつ計上するの?

問題文の指示によって2パターンあります。「クレジット手数料は販売時に計上する」という指示があれば販売時に計上します(パターンA)。指示がない場合は信販会社から入金を受けたとき(入金時)に計上するのが標準です(パターンB)。試験では問題文の指示を必ず確認しましょう。

クレジット売掛金はいつ消えるの?

信販会社から入金を受けたときに消えます。入金時に「(借)現金(または当座預金)/(貸)クレジット売掛金」の仕訳を切ることでクレジット売掛金(資産)が減少して消去されます。手数料を入金時に計上するパターンでは、同時に支払手数料(費用)も計上します。

まとめ:クレジット売掛金 仕訳早見表

販売時(手数料を販売時計上)クレジット売掛金+支払手数料 / 売上
入金時(手数料を販売時計上)現金 / クレジット売掛金(手数料差引後の金額)
販売時(手数料を入金時計上)クレジット売掛金 / 売上(売上全額)
入金時(手数料を入金時計上)現金+支払手数料 / クレジット売掛金(全額)
通常の売掛金との違い回収相手が信販会社・手数料が発生する